埼玉県三芳町で、広報やプロモーションを担当。全国広報コンクールで、内閣総理大臣賞(2015年)をはじめ、広報紙や写真、民間とのコラボレーション企画で受賞実績のある佐久間智之氏が、「デザイン」をテーマに、公務員に向けたノウハウ本を発刊した。
佐久間氏は、税務課、健康増進課を経て広報担当へ。ごみ箱に捨てられていた町の広報紙を見て一念発起し、独学で編集技術を学びながら、紙面改革に取り組んだ。広報コンクールでの実績などが評価され、研修会での講師や視察対応などは年間80件以上になるという。
そんな佐久間氏が手掛けた公務員のためのデザイン本。目指したのは、「誰でも簡単に、住民にメッセージがきちんと伝わる1枚をつくる」。
「自治体では住民に向け、ポスターやチラシ、通知文などを作成して情報を発信しています。最近では、ウェブサイトやSNSも盛んです。これらは、広報課以外のどんな部署でも携わる業務で、大切なのはまず住民の目にとまって、正しい情報が伝わり、行動を起こしてもらうことです。サービスの利用者が少なかったり、クレームや問い合わせが来たりするのは、チラシの内容がきちんと伝わっていないからです。本書は、そんな公務員の方の悩みを解決するための、“伝わる”デザインノウハウ本です」(佐久間氏)
本書では、色づかいや書体、写真の使い方からキャッチコピー、文章づくりのコツまで、住民の目をひき、分かりやすく伝わるデザインの手法を豊富に紹介。○×の具体例で、どこを直せばよいのかのポイントを見開き単位で解説するなど、「伝わる1枚」をすぐに実感できるのが特徴だ。
A5判で128ページと、コンパクトで読みやすいサイズ。5章構成で、最終章の第5章「もう1歩先に! 伝わるマインド&極意」では、「広報はラブレター」「広報にこそプロ意識を」「広報の力でFAN=FUNを増やして日本を変える」など、全国の公務員に向けた佐久間氏のメッセージも盛り込まれている。