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『協働広報の時代』

「協働広報」への潮流から「広報」の役割を改めて問い直す

『協働広報の時代』
  • 著者:宮田穣
  • 発行:萌書房
  • 発刊:2012年2月
  • 価格:1,575円(税込み)
『協働広報の時代』表紙

著者の専門は、コーポレートコミュニケーション、企業の社会的責任、NPO論、企業広報、行政広報、組織内コミュニケーション論と幅広い。教育出版社などで、マーケティング・編集・調査・研究・広報など多様なキャリアを蓄積。大学院のコミュニケーション学研究科に社会人入学し、博士号を取得した。

企業広報の研究を経てシフトしていったのが行政広報や、地域におけるNPOのコミュニケーション活動。そこで著者が注目したのが「協働広報」という発想だ。「協働という本来の意味を踏まえ、行政に求められる広報のあり方を考えてみよう」と、まとめられたのが本書である。

本書では、協働広報を次のように定義する。「協働広報とは、組織及び地域、社会の共通課題に対し、ステークホルダーが協働し、その解決を図ることを通して、相互の信頼関係を継続的に深めていく活動である。また、その活動では、ステークホルダー相互へのファシリテーションが、不可欠な機能として求められる」

具体事例として、企業や行政、NPOなどが中心となり、地域での関係構築を目的とした4つの活動を紹介している。各事例に共通するのは、企業や行政、NPOなどの組織と、そのステークホルダーが3者以上かかわる設計になっていること。また、マスメディアなど従来の限られたメディアにとらわれず、地域情報誌や地域ポータルサイトなど、その取り組みにふさわしい中心的なメディアを設定し、メディア連携を行っている点だ。

協働広報の意義を考える上で大切なのが、そもそも「広報とは何か」という根本の問題。4章構成のうち第1章と2章の一部では、「広報とは何か」や「戦後広報史」について触れている。信頼関係の構築に欠かせない要素として「広報マインド」や、「マネジメント」「パートナーシップ」など5つのコンセプトを挙げ、近年の広報活動の潮流となっている「協働広報」に導いていく流れが分かりやすい。

 

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