武庫川女子大学教授で、日本広報協会広報アドバイザーを務める佐竹秀雄氏の最新刊。同書は、ベレ出版の「日本語を知る・磨く」シリーズによるもので、2005年初めに刊行された同シリーズ『ことばの表記の教科書』『敬語の教科書』(いずれも佐竹氏共著)に次ぐもの。
「『日本語を知る・磨く』シリーズでは、よりよいコミュニケーションを行うことを重視しています。『情報をうまくやりとりして自分が願うような人間関係を築く』ための日本語能力の育成を目指しています。本書も同様に、文章を書くとき、読み手に理解してもらうためにはどのように書けばよいかを第一に考える立場に立っています。
その上で、本書では、
*自分が読み手に伝えたいこと、伝えるべき内容を明確にする方法
*その内容を読み手に、より正しく確実に伝える方法
を、具体的に手順化して説明しています。ですから、説明の手順にそって行えば、だれでも読み手に伝えたいことをうまく伝えられる文章を作り上げることができるようになっているのです」(「はしがき」より)
本書は2部構成で、第1部の「内容を作る」(3章)や「文章を展開する」(4章)、第2部「文章作りの実践」などは、広報文章を書くためのトレーニングとして最適のテキストといえる。また、文章作りを初歩から学びたい人にとって、第1部の「文章作りのための意識改革」や「三つの力(知識・技術・能力)の基礎」はとても参考になる。特に「ブレーン・ストーミング」を活用した文章作成能力の磨き方はおもしろい。