病院の広報活動を支援してきた筆者は、「病院広報」という造語を、利益追求型の「企業広報」との対比で用いる。病院は、医療サービスという商品をアピールするよりも、どのような医療がだれから期待されているかを踏まえて、組織、規模、治療など、現場の期待に見合った独自の広報を創造することが、「病院広報」の理念だという。
病院広報の対象は院内外に広く及んでいる。その対象を筆者は、「医療機関を中心とした社会を四つのカテゴリーに分けられる」という。
一つ目は「地域」。所在地の地域社会に対して、広告やホームページを活用した広報活動に力点を置く。
二つ目は「医療サービスの質」。病院職員へ経営情報などを提供する励ましの広報、提携先への広報などの推進。
三つ目は「情報」。広告規制緩和が進むなかで、マスコミを有効活用する。
四つ目は「拡大顧客」。患者だけでなく、自院に利益をもたらす存在を顧客と定義し働きかけるなど。このような役立つアドバイスが掲載されている。