「広報力」(コミュニケーション力)をテーマに、6人の著者がそれぞれの専門分野について、具体例を挙げて論を展開している。
第1章「広報力とは何か」を担当した電通シニア・プロデューサー(現 広報コンサルタント/(株)澤茂樹事務所代表)の澤茂樹氏は、行政広報のあり方について、広報紙による一方通行の「お知らせ広報」からホームページなどを活用した「対話型広報」への転換を訴える。
そのうえで、広報の基本は「だれに」「何を」伝えるのかを明確にすることであり、対象をマスに設定するのではなく、情報を伝播してくれる「メディエーター」や「情報イノベーター」を介して、情報の流れをスパイラルに拡大する「運動型広報」の重要性を説いている。
また、第5章「地域経営とコミュニケーション」を担当した電通シニアコンサルタントの丹野実氏は、地域の税収を増加させることが健全な地域経営の基本であるという。そのため、「ソーシャル・キャピタル」(コミュニティ内の結束力)を基に、地域経済を活性化することの必要性を説く。