日本広報協会広報アドバイザー(全国広報コンクール審査委員)で、テレビマンユニオンプロデューサーを務める著者による最新刊。
日本でテレビ放送が始まって50年。テレビは日本人の暮らしの中に深く浸透してきた。しかし、「テレビの仕組み、テレビの特性について、視聴者側の持つ情報は、まだまだ少ない。テレビは、その危うさも含め、いかにしてテレビたりえているのか。視聴者は、テレビから与えられる情報とどう向き合っていったらよいのか」(「はじめに」より)。
ただ情報を鵜呑(うの)みにするのではない、賢い視聴者が求められている。近年、盛んにいわれるようになった「メディア・リテラシー」という視点である。著者は「メディア・リテラシー」を、「メディアから送られてくる情報を、批判的に解読するとともに、自らも情報発信を行うことのできる能力」ととらえる。単なる情報の受け手ではなく、メディアを使って情報を生み出し、発信していける能力のことである。映像メディアだけでなく、活字メディアやインターネットなどあらゆるメディアに接していくうえでも同じことがいえる。
著者は2002(平成14)年4月に、北海道の千歳科学技術大学光科学部専任助教授に就任した。テレビ研究とともに、地域コミュニティ、市民メディアなどをキーワードとしたブロードバンドの研究を行っている。