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Net de コラム Vol.19

ブランド・コンタクト

統合型マーケティング・コミュニケーション(IMC)では、特に「ブランド・コンタクト」ということが強調されている。ブランド・コンタクトとは、ブランドと顧客とのあらゆる接点をメッセージの伝達経路と考え、それらの接点をマネジメントすることである。つまり、伝統的なコミュニケーション手法である広告や広報などだけをメッセージ伝達経路と考えるのではなく、クチコミ、店舗内外での当該ブランドとの接触、場合によってはゴミとして捨てられているパッケージまでブランドとの接点ととらえるわけである。ブランド・コンタクトはIMCが提唱された1993(平成5)年から強調されていることであるが、特に最近、注目度が増しているように感じる。

ブランド・コンタクトの考え方は、自治体のマーケティングや広報、そしてもちろんのこと、地域ブランドの構築にも応用できる。そして、あえて広報、広聴、地域ブランドの構築と活動をぶつ切りにしなくても、ブランド・コンタクトという活動あるいは考え方一つで、自治体と地域住民との密接なコミュニケーションが図れ、情報の受発信ができるのである。

自治体のブランド・コンタクトについて、筆者は東京都特別区の研修で「住民との接点はすべて情報の受発信の場と考え、住民の本音、住民の心の奥底を深く洞察し、満足いく公共サービスの提供につなげる」という表現を使ったが、この言葉に受講生から共感を示していただけた。

情報の受発信の場となり、ブランド構築も担うブランド・コンタクトの考え方を自治体のマーケティングにも導入し、住民の立場から自治体サービスを再構築したらどうであろうか。広報や広聴の考え方も変わってくるだろう。

いしざきとおる

1968(昭和43)年生まれ。早稲田大学商学部助手を経て現職に

 

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