トップページ > コラム > 広がり続ける「広報力」空間 > Vol.8 自動化される未来に 手を入れよう~情報の精度・信頼性を高めるために
本記事は、月刊「広報」連載「広がり続ける広報力空間~広報コミュニケーションの近未来を探る」から一部を抜粋したものです。
膨大な情報の自動的な入出力に身を任せるのではなく、適切に「手を入れる」ことの重要性について述べたいと思う。
Google検索を用いることで、サイト内検索という「機能」の提供は可能になる。だが、そこに手を入れなければ、その検索エンジンが有している計算手法に沿った結果が表示されるに過ぎない。これを「使える」と判断するか、「もっと使いやすくならないか」と考えるか。そこにウェブサイトに対する愛着や、住民に対する思いが表れるのではないだろうか。
ウェブサイトのアクセスログを解析すれば、利用者がいかにさまざまなキーワードで、コンテンツを求めているかの一端を目にすることができる。サイト管理者からすれば思いも寄らないキーワードかもしれない。だが、その利用者からすれば、それが自身の求める情報に最も近づけそうな言葉として思い浮かんだ、まさに「キー」ワードなのである。あるいは、それまでに浮かんだいくつかのキーワードが、そのウェブサイトでは思いどおりの結果を生まなかった結果としてひねり出された言葉なのかもしれない。そのような利用者の検索プロセス・苦労を想像し、負荷を低減させることへの配慮がイメージできただろうか。効率的な検索行動を提供することへの意識が働いただろうか。
機能の向上とともに、何らかの問題が解決されたり、より便利になったりすることは事実であるが、サービスが行き届かない人は誰か、満たされない思いは何か、をイメージし続けることは、自動化される未来におけるコミュニケーションにとって欠かせない要素となろう。
※記事の全文は、月刊「広報」2016年6月号でお読みいただけます。
1975(昭和50)年生まれ。ISP(インターネットサービスプロバイダ会社)勤務を経て、「ウェブアクセシビリティ」「ウェブサイト評価・診断」「ウェブ制作・サイト管理」などを手掛ける有限会社ユニバーサルワークス(本社:静岡県三島市/http://www.u-works.co.jp/)代表取締役。ウェブアクセシビリティ基盤委員会 副委員長・作業部会1(理解と普及)主査。日本広報協会広報アドバイザー。全国広報コンクールウェブサイト部門審査委員などを務める。