福井県坂井市は、地場産業の「越前織」によるストラップのデザインを全国の自治体から募集する「全国シティセールスデザインコンテスト」を開催。応募のあった250作品の中から10作品を大賞に決定しました。コンテストには、地方創生の動きを反映し、自治体職員のまちづくりへの思いが込められた作品が集まりました。
色鮮やかできめ細やかな風合いに仕上がった受賞作品
坂井市は今年の春から、越前織によるネームカードストラップの試験的な着用を開始しました。越前織は、京都西陣織の流れをくむ細巾の織物で、きめ細かい風合いと肌触りの良さが特徴。坂井市丸岡町が発祥の地とされています。
市のキャッチフレーズである「笑顔で暮らせるまち」や、特産の「越前がに」を施したストラップデザインが来庁者などに人気だったことから、市は市外にも紹介しようと、全国の自治体からストラップのデザインを募集するコンテストを企画しました。
募集したデザインのテーマは「地域の魅力を表現するもの」。地方創生の機運を反映してか、わずか1か月の募集期間(5月15日~6月15日)に、北海道から鹿児島まで、全国の40都道府県から100自治体250作品のエントリーがありました。
大賞に選ばれたのは10作品。このうち、大分県豊後高田市の作品はブランドコンセプト「全力発展中」のロゴマークとコピーで「市民と行政が一丸となって全力でいろいろなことに取り組んできた姿」を表現。愛媛県今治市の作品には、「日本一のサイクリング道『しまなみ海道』がサイクリストの聖地となるように」との職員の願いが込められています。震災復興に取り組む宮城県女川町の作品は、「取り戻そう笑顔あふれる女川町」のコピーを中心に、高台に移転した住宅や再建されたJR女川駅など復興しつつある街の姿をイメージしています。受賞作品には応募されたデザインの越前織ストラップ100本が、また、応募者全員に福井県産コシヒカリお試しパックが贈られました。
受賞自治体からは、「大阪に3万人の消防関係者を集めて来年開催する会議で、アジアの皆さんにも見てもらいたい」(大阪市消防局)、「越前織の風合いを生かしたストラップを身に着けて山梨の魅力を伝えていきたい」(山梨県韮崎市)など、喜びの声が寄せられています。
主催した坂井市では、「越前織によるストラップがそれぞれのまちのPRに役立てられるとともに、参加自治体の皆さんには、越前織や坂井市の魅力を知っていただくよい機会になった」(秘書広報課)と語っています。