静岡県では10月から、県内の大学生が制作する情報誌『静岡時代』編集部との協働で、フェイスブックページ「静岡未来」を開設しています。県政への関心が低いとされる若者をターゲットに、同世代の大学生の視点を取り入れた情報発信を行うことで、行政と若者との新しいコミュニケーションをめざします。
県の世論調査で県政への若者の関心の低さが目立っていたことから、広報課ではプロジェクトチームを設置して対策を検討。行政と若者との新たな接点を模索するなかで、『静岡時代』との連携がアイデアとして出されました。
情報誌『静岡時代』は、県内の大学生向けに発行されている無料の冊子で、現役の学生や卒業生有志が企画から取材、編集までを行っています。音楽や恋愛、旅や夢などをテーマにした特集をメインに、年4回発行されています。
「県政に関する情報を自分のこととして捉えてもらうには、ターゲットである若い世代の視点に立った情報発信が必要です。フェイスブック『静岡未来』は、『静岡時代』とのコラボレーションにより、大学生の感性を取り入れながらコミュニケーションすることで、県の施策を身近なものにしていこうという取り組みです」(広報課)
広報課と『静岡時代』の共同運営による「静岡未来」には、県政や静岡県をテーマにしたにさまざまな情報が、学生からの投稿記事としてアップされます。記事は県からの情報とは異なり、学生の柔軟な発想や、情報誌の編集で培った表現力が生かされています。こうした発信力が評価され、共感を示す「いいね!」の数は開設後2週間で400を超えました。
「雇用環境が厳しい時代でもあり、若者の将来に対する問題意識は強いと思います。『静岡未来』をきっかけに、そういう『自分の未来』に関する問題意識の中に、自分が住んでいる『地域の未来』の問題も合わせて考えてもらうことで、県政にも関心を持ってもらえればと思います」(同)
県では今後、「静岡未来」をより多くの人に知ってもらうため、『静岡時代』と協力したイベントやキャンペーンの開催も検討していく予定です。
「静岡未来」のロゴやカバー写真は『静岡時代』側がデザイン。また、明治9年の静岡県誕生からの歴史上の出来事が写真やテキストで紹介されるタイムラインの構成は『静岡時代』のアイデアによるもの。