タブレット端末やスマートフォンの急速な普及に合わせ、それら多機能携帯端末で読むための、広報媒体の電子書籍版を配信する自治体が増えています。
岐阜県美濃加茂市では4月から、広報紙『広報みのかも』のスマートフォン版の配信を始めました。
『広報みのかも』は自治会を通じた配布や公共施設での配置、市サイトでのPDF版などで入手・閲覧することができますが、それでも自治会未加入世帯には届きにくいといった課題がありました。広報を担当する市政情報課では、もっと気軽に広報紙にアクセスしてほしいと、スマートフォン版の配信を開始。さまざまな画面サイズで、冊子と同じように「ページをめくる感覚」で読むことができるメリットなどを強調することで、端末に比較的慣れ親しんでいるビジネスパーソンや若い世代からの利用を見込んでいます。
電子書籍版(EPUB形式)の『広報ひらつか』を2011年3月から配信している神奈川県平塚市では、今年、アップル社が運営する公式サイト「iTunes」から、ポッドキャスト(インターネットからデータを配信する方式の1つ)での配信を始めました。ポッドキャストの受信アプリを利用すれば、最新号の発行が端末に通知されるため、発行日を逃すことなく定期的に読むことができます。『広報ひらつか』電子書籍版では、記事に関連した動画も見ることができます。
青森県弘前市では今年から、全世帯に配布している市民便利帳『くらし弘前2011』の電子書籍版を配信しています。市民便利帳は、大阪市に本社のある広告会社サイネックスとの協働事業として冊子で発行されているもので、弘前市のほか、全国で300を超える自治体が同様の形式で市民便利帳を共同発行しています(「暮らしの便利帳」など名称はさまざま)。検索がより便利になるなど新たに作成された電子書籍版も、冊子版発行自治体から随時配信されています。
広島県や静岡県浜松市では今年から、スマートフォンからでも公式サイトを閲覧しやすいよう、サイズや操作性がスマートフォン用に最適化された画面を用意しています。自治体広報における、多機能携帯端末ユーザーの増加を踏まえた取り組みは、今後、さらに広がりそうです。
広報紙をタブレット端末やスマートフォンで閲覧する美濃加茂市の担当者