静岡県伊豆の国市が発行する『広報いずのくに』で、2008年12月号に掲載した主人公の少年とその一家4人が東海地震に遭遇する物語形式の特集記事が、1年後の2009年12月、防災活動に取り組むNPOの企画により防災絵本として発行されました。
『防災広報絵本~もしも地震が起こったら』を発行したのは、沼津市のNPO法人「日本沼津災害救援ボランティアの会(NVN)」。2008年12月号の特集記事を読んだNVNが市に絵本化を打診。2009年5月の正式依頼を経て、市と協働で絵本化に取り組んできました。
防災絵本のもとになった特集「もしも地震が起こったら」は、「子どもから大人まで、多くの年代の方に分かりやすい形で大地震の恐ろしさを伝えたい」(秘書広報課・夏目健次さん)と企画。一家4人が大地震に遭遇し、揺れの瞬間から台所での火災発生、避難所での一夜、復旧に向けた動きまでのようすが、広報担当者による描きおこしのイラストと、主人公である小学5年生の視点で綴った物語でまとめられています。記事の作成に当たり担当者は、阪神・淡路大震災関連の資料を調べたり、新潟県中越地震で被災した市民の話を聞いたりして構成。架空の話でも現実を投影した物語となるよう配慮しました。
『防災広報絵本~もしも地震が起こったら』はB5判16ページ。NVNでは絵本を沼津、伊豆、伊豆の国市の3市の小学校と市立図書館に寄付したほか、絵本協力金(一口1,000円)を募る形で一般にも配布しています。防災絵本に関するお問い合わせは、NVNまで(電話055-967-4564)。
※月刊『広報』2010年1月号に関連記事掲載
広報紙の特集記事がもとになった『防災広報絵本~もしも地震が起こったら』