1:Fが二つでff(フォルテッシモ)。東西の神様は最強 5号 01/26 19:25 2つの広報をレコメンドします。 コンクール用に作る特集はたくさんありますよね。自分の現役時代を振り返ると思い当たらないわけでもないですが… でも審査員は騙せても、住民は騙せないと思います。住民は毎月広報を見ているのだから。だから1カ月だけ力が入っていても、住民はむしろ「なぜ1回だけ」と戸惑うのではないかな。コンクールの評価基準に、本当に地域に必要とされる特集なのか、地域に愛され読まれている特集なのかを入れてもいいんでないかと、勝手に思ってます。 で、毎月住民と前から向き合い、地域から必要とされている(自分ではそう思っている)、「まちの総合情報紙ふじさわ」「広報ふくち」のそれぞれ12月号をレコメンドします。 まずはふじさわから 平成の合併で自治体の規模が大きくなり、協働のまちづくりが叫ばれています。しかし、協働と言っても、現状は行政ができないことを住民にやってもらうという発想のものが多いのでは。うちも人のことは言えません… 協働は、住民ができないことを集落が、集落ができないことを市町村が、と下からの積み上げが大事だと思います。ふじさわの12月号を読んで、大事なのはまちの規模でなく、地域の度量であることを気付かされました。 これまでの特集は○○しましょう、××を考えましょうという「啓発型」で、今回のふじさわは「気付き型」という感じ従来のスタイルとは違う、見たことのない展開でした。章立てせず、あえて強い言葉や言い回しを使わず、ジワリジワリと「住民自身が考え、決め、実行してなければならない」気づいてと。親に「勉強しろ」と言われてもしないのと同じで、自分が気づかなければ何も変えられないんですよね。そのことに、気付いてほしいと古里を思う気持ちがあふれるほどに伝わってきました。 そして組み写真。組み写真といえば、お祭りや行事が多いけど、今回は「手仕事」で普段の生活にスポットを当ててます。特集同様、新たなスタイルにいどんでいます。 写真の存在感は抜群。広角ローアングルあり、スローシャッターありと写真技術のオンパレードです。 続いてふくち 今回は100年近く前に、福智で起きた炭鉱事故を書いたもの。 当時の話を文献やインタビューなどで、地道に丹念に調べた姿が目に浮かびます。 この特集では、大非常がどのようなものだったのかという説明から、なぜ未だに発生原因が謎のなのかなどジャーナリスティックな部分までメスを入れています。命の大切さやこのような事故の歴史を振り返りながら、同じことを2度と繰り返してはならぬと自分のまち、住民に訴えています。圧倒的な表現力です。 巻末には、福岡でのひき逃げ事故の被害者にインタビュー。ここでも「命」というキーワードが。紙面全体を通して、これまであったことに向き合ってほしい、忘れないでほしい、そして何よりも「気づいてほしい」というメッセージが込められていると感じました。 いうまでもなく、すばらしい広報紙作りをしている二人に、敬意を払おうとしたら長くなってしまいました。すみません。 |